「メガソーラー認可方式」変更に関する提言
2025年 09月 17日
困ったことに、都道府県や市町村は、エネルギー行政実務に精通していない。
メガソーラー建設工事の主務官庁は資源エネ庁だが、現実に建設工事中止を求めているのは都道府県知事、市町村長だらけである。許認可行政上、不思議な現象が起きている。
許認可上のトラブルに関し、本来は、主務官庁が対応しなくてはならないはずだが、現実はそうなっていない。
原子力発電所のトラブル、再稼働の件に関してどうだったか。
東電柏崎刈羽原子力発電所案件については、経産省所管外の事案でも、法律的根拠無い事案でも、政府や経産省は、電力会社に許認可権限を根拠に対応要請したと認められる事案が続出している。
このような、東電柏崎刈羽原子力発電所再稼働に係わる経済産業大臣や資源エネルギー庁の数々の対応を振り返ると、メガソーラーについても資源エネルギー庁認可事案である限り、
許認可行政上は、資源エネルギー庁が、メガソーラーの関係法令(資源エネルギー庁以外の中央省庁所管の法令)の取扱いに問題ある場合を含めて、建設工事中止に主体的に係るべきとの「解釈」が可能である。
メガソーラーによる発電事業が資源エネルギー庁所管事項なので、「資源エネ庁長官が全方位的に工事中止命令を出せる権限を有する」と考えるのである。
よって、メガソーラーについて、悪質かつ脱法的な森林伐採・建設工事が続出していることを踏まえ、原子力発電所許認可方式と同様。「関係法令等が遵守されていることが文書等で確認できない限り、資源エネ庁に認可させない認可方式」とする必要がある。
具体的には、法改正することになるが、①10kw以上ほとんどすべての太陽光発電設備について工事計画認可申請案件とし、②関係法令遵守が確認できた条件での認可とする方法がある。(現状は2000kw以上のみ工事計画認可適用としているが関係法令遵守状態かどうか確認が不十分)
メガソーラーの出力別認可区分は下記を参照
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/taiyoudenchi.html
認可手続き上は、工事計画認可申請に際し、①工事計画書提出(着工1年前)、②関係法令(森林法等)の届け出・報告文書のコピー提出(着工前提出)、③環境および生態系調査報告書のコピー提出(着工前提出)、④地域住民との対話の記録等提出(随時提出)を義務づける。
結果として、資源エネルギー庁に許認可に係わるエビデンス資料一式受取、チェック、保管させることになる。認可上の主務官庁として当然の義務と思う。
このような認可行政システムとすることで、資源エネルギー庁は、悪徳、脱法的なメガソーラー事業者を締め出す目的で、建設工事中止命令発出が可能となる。もちろん、森林法等を根拠とする都道府県知事、市町村長による建設工事中止命令権限も補完的位置づけとして必要である。
以上から、メガソーラー許認可行政について、「基本的に資源エネ庁関与マターとし、資源エネ庁が行政指導、建設工事中止命令を出す、許認可上の主役と位置付けるべき認可行政方式」に変更すべきと考える。
